4年生前期を終えて

家族性地中海熱

大学4年生の前期(夏学期)が終わりました。私の大学では3年後期と並んで6年間で最もハードな期間と言われています。

病気と体調管理について

今期は去年までコロナ対策としてあった「発熱で欠席した場合は欠席数にカウントしない」というルールがなくなってしまいましたので,なるべく出席することを優先する戦略で臨みました。

結果からいうと大失敗でした。

疲労が溜まると体調を崩すのは誰でもそうだとは思いますが,相変わらず私の場合は病気のせいでしょう,他人よりも少ない疲労でダメになります。

少々の熱や体調不良でも構わず出席して出席数でアウトにならないように努力しましたが,体調がどんどん悪化,学期末のテスト期間には常に体調不良で微熱や倦怠感が続き,脱水気味の風貌で周囲に心配をかけてしまうような始末でした。

欠席自体は合計4日分ぐらいで済みましたが,日々辛く,出席したところで授業は頭に入らずでテストでは非常に不利な状態でした。

実際にテスト期間中の血液検査で脱水の兆候や肝臓のダメージを指摘されました。

ただ最終的には心身ともにボロボロの厳しい戦いでしたがなんとかクリアすることができました。

獣医学生の科目のはなし

私の病気の話題は以上にして,獣医の大学生として私の大学の4年前期の科目をそれぞれ紹介しておきます。

食品衛生学の講義と実習

細菌・ウイルス・寄生虫・毒・化学物質など様々な食中毒についてのことや,食肉・食鳥検査についての科目でした。実習では食べ物や環境中から細菌を検出・同定する検査や,食肉・食鳥検査の見学でした。

繁殖学の講義と実習

講義は発生学や生理学を発展させたような話で,特に生理学の内分泌についてあまり勉強していない人には厳しい内容でした。実習は牧場に行ってまたは学内の牛で,牛の直腸検査をします。小動物獣医師志望だろうと牛の直腸に腕を突っ込んで生殖器を触診するスキルを身につけなければなりません。

3年に続いて病理学の講義と実習

病理学の続きの講義で,特に神経系の細かさには参りました。実習は顕微鏡で検体を見てスケッチするのがほとんどですが,数回は剖検として牛を解体して検査する実習がありました。鶏の剖検の回もありましたが奇しくも欠席したので鶏を解剖したことがないまま卒業することになりそうです。

呼吸器と循環器の臨床の講義

レントゲンやエコーの画像をたくさん使って疾患を詳しく教えてくれました。ただ,画像診断の講義が来年なので,レントゲンやエコーを見てもあまり理解できない人が多く,難しい科目として不評でした。

麻酔・手術の講義

そのままですが,手術に使う麻酔についての網羅的な科目でした。内容は濃くないですが,外科をやる上で必須な知識なので重要な科目なんだと思います。

家禽の講義

鶏などの課金についての科目は大学6年間でこれだけのようです。公務員になる人にとっては重要な内容だと思いますが,その他多数の人にはカリキュラム上の通過儀礼のような科目です。国家試験でも数問しか出ないとのことです。

感染症の講義

微生物学の延長のような科目でした。復習としての意味あるので真面目に取り組んでおきたいところでしたが,あいにく試験をクリアするだけで精一杯でした。将来の臨床として以上に,国家試験対策として重要な科目だと思います。

小動物の内科と外科の実習

大学で飼っている犬や猫で,触診や聴診,注射などから麻酔導入など基本的な練習をさせてもらえました。外科では模型を使った外科縫合の練習や,無菌的な手術着の着方や手洗いの練習が印象的でした。内科では血液検査,骨髄検査など体験できました。医療面接(問診)の練習が印象的でした。過去の症例から教科書片手に診断をしてみる実習もあり実践的でした。

まとめ:獣医志望の人に特に知ってほしいこと

これから獣医になるための大学受験を考えている人や低学年の獣医学生に知ってほしいのは,2点あります。

1つは,牛の直腸に腕を突っ込んで,うんちを掻き出しながら触診する必要があることです。手袋をしていますが容易に破れます。私も腕がうんちだらけになりました。牛が下痢気味だったりおならをすれば顔にうんちが飛びます。4年生のこの科目では健康な牛を使いますが,5年にもなれば下痢の牛を扱います。下痢の牛から寄生虫やウイルスをもらって下痢になった学生さんも毎年のようにいるようです。潔癖症の人はそもそも獣医になろうなんて思わないでしょうが,動物のうんちを見ただけで辛いような人には辛い大学生活になるでしょうし,少なくても臨床には向いてないと思います。

もう1つは,医療面接(問診)です。4年生の最後にある,vetOSCE(オスキー)という獣医師の仮免許の試験のひとつのようなもので必要なことで,患者を演じる人とお話しして問診を進める必要があります。対人コミュニケーションが苦手だから動物に逃げると言う意味で獣医を目指すのは不適切だとかいうありていな話ではなく,くだらない話なのですが,”身だしなみ”が採点基準に含まれており,金髪・原色・明るい髪色や長い前髪は減点されるということです。髪色や髪型で遊びたい学生さんは,試験の時だけ黒染めしても良いですが,4年生の最後までに一通り遊び終わっておいた方が賢明です。特に5年生以降にインターン実習などで社会に出るつもりなら尚更です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました