前回の記事(医者が「獣医はオススメしない」と言うワケ)の続きです。
家族性地中海熱でありながら感染リスクの高い仕事である獣医になるのは,おすすめできないと医者に言われ,今後の人生の選択を迫られている状況です。
獣医の大学は6年制ですから,3年終了時のこの時は,ちょうど半分のところです。
辞めるのも続けるのも辛い状況でした。
自分の中で整理して考えてみたところ,大学の卒後は今の仕事を続けながら,片手間程度に小動物臨床をやろうと思っているので,感染リスクは比較的低く,体力的にも自分でコントロール可能な環境になると思います。
よって,卒後は最もストレスフリーで家族性地中海熱との付き合いにとっても良い環境になると思います。
問題は,大学生活でした。
大学の実習などで肉体疲労が大きい作業が続くならば体調を崩すでしょうし,自分が動物由来感染症などに感染しないように細心の注意を払わなければいけません。
私の大学の多くの科目ではシラバスに○回欠席で不合格と書かれています。大抵は4回か5回です。
実習では特に明記されていないですが,3回などと言われています。
体調を崩して欠席することが特定の授業の日に重なると,この欠席回数を超えてしまう恐れがあります。
現に,3年後期は計算したらギリギリな科目がいくつもありました。
新型コロナ対策に余念がない地方ですから,この大学では少しでも新型コロナの可能性がある体調不良での欠席は,大学に健康状態の報告をするという条件で公欠扱いのようなルールがありました。
当然,熱が出た時は家族性地中海熱なのか新型コロナなのかわかりませんから,これの適用となりました。
新型コロナのおかげといえば不謹慎ですが,なんとかセーフになっていました。
ただ,今後も同じ状況であるとは思えませんので,この点も先行き不安の1つでした。
これらの不安について悩み抜いたにもかからず,答えは出せず,どちらかというと退学をするつもりで担任の先生に相談しに行きました。
いっそのこと「無理だ」と言ってもらって楽になりたい。そんな気持ちでした。
ところが,答えは「どうにでもなる」でした。
獣医学科全ての先生方に配慮をしてもらうように連絡してくれました。
感染や怪我をするリスクのある実習では,安全な範囲まで退避して見学するなど可能な限りの配慮は快く対応してくれるそうです。
欠席回数についても,これは文部科学省などのルールというわけではなく,あくまで担当教員の慣例的なものなので,やんごとなき事情への配慮は担当教員の裁量の範囲内とのことでした。
諦めてしまえば楽だったのに,もう諦める理由も意志もなくなりました。
先生方の気持ちに応えたい。
この大学で最後まで,”血の通った獣医学”を勉強したい。
そして4年生前期を迎えるのでした。
この記事で今までの経緯を書き終えたので,続き物としては区切りをつけて終わりにします。
今後はリアルタイムでの生活をブログとして気が向いたときに綴っていきます。
カテゴリで分けて記載するつもりです。
病状については「家族性地中海熱」,大学生活については「獣医学生(獣医大学生)」カテゴリを使います。※総合大学の中の獣医学科なので獣医大学生という言葉は不適切ですが,獣医は専門学校で学ものだと勘違いしてしまっている人への啓発として敢えて使用します。
もしよろしければ,変わった病気,変わった経歴の獣医大学生の今後の生活をブログを通してのぞき見てください。
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