前回記事(家族性地中海熱の治療と新たな不具合)の続きです。
治療の成果で,疲労しすぎない程度の生活をする範囲では発熱発作が起こらないようになりました。
どの程度の疲労なら許容範囲なのか体感的に把握できてきたのが年末ごろでした。
大学の期末試験は1月末から2月頭にかけて集中していました。
そのような事情での1月下旬,まさに最悪のタイミングで体調が悪化しました。
症状と経過
39℃の熱,そして左下腹部に激痛がありました。倦怠感もひどく座っているのも辛いほどでした。
この腹痛は今までの自分の家族性地中海熱らしくなかったので,別の病気だと思いました。
以前,尿管結石が出た時の痛みに近かったので,そのつもりで近所の内科で診てもらいました。
尿検査やレントゲンでその様子はなかった代わりに,血液検査で家族性地中海熱らしい異常(好中球増加,CRP高値)がありました。
その内科の先生が,私のかかりつけの腎臓内科の先生に連絡・相談してくれました。
そして,抗生剤と鎮痛剤で様子見,悪化するようなら腎臓内科に来るようにという指示でした。
結果,3日後には腹痛は収まりましたが,体調は悪化,水を飲んだだけで嘔吐,食事も水も一切口にできなくなりました。倦怠感はさらに強くなり,ほぼ寝たきりとなっていました。
なんとか外来で病院にかかり,診察を受けて入院となりました。
尿検査と血液検査の結果,肝臓の数値が軒並み異常でした。
自力で歩けないので車椅子に乗って看護師に押してもらって,点滴を繋げたまま,心電図,造影CT,エコーなど色々な検査を受けてまわりました。
吐き気が治らず,枕元に吐くためのミニバケツを置いて寝るだけの数日でした。
4,5日ほどしたら自然と回復してきて少なめの食事であれば摂れるようになり,血液検査での肝臓の数値も下がっていきました。車椅子なしでも数分なら歩けるようになりました。
診断,原因
散々検査した結果,特に発見された新しいことはありませんでした。
新しい異常が何もないということで一つの推理のような診断がついたそうです。
最初の腹痛は弱い虫垂炎,いわゆる盲腸をきっかけに家族性地中海熱が発症して発熱発作,虫垂炎は近所の内科で処方された抗生剤で治ったけれども,抗生剤の重篤副作用で肝臓が障害され悪化というストーリーが合理的ということでした。
抗生剤の副作用は納得がいきますが,虫垂炎というのはあまり納得ができませんでした。
腹痛が起こったのは左下腹部だったからです。あり得ない話ではないと消化器内科の医者から説明されても,いまだに少しひっかかりを感じます。
特に治療薬や手術せずほぼ自然回復みたいな結果となって,入院から1週間ほどで退院しました。
ただ,晴れて退院したと言っても,10分も歩けないぐらい,体力は元通りには程遠く,退院後も1週間の自宅療養し,外来受診で再度検査することを指示されていました。
体重は5キロ痩せていました。
消化機能もまだまだで,食事は精進料理のようなものしか食べられないぐらい弱っていたままでした。
入院で受けられなかった大学の期末試験
この入院で大学の期末試験を7科目も不受験となっていました。
今までひとつも単位を落としていませんが,4年生までに合計5科目落とすと留年というルールがあります。
当然,留年を覚悟していました。
ところが,担任の先生がまとめて各科目の先生に連絡してくれたり,いろいろ良くしてくれたおかげもあって,すべての科目の先生が配慮してくれました。
不合格者向けの追試験に混ざって参加させてくれた先生もいますし,私一人のためにわざわざ試験をしてくれた先生もいました。私が日頃から真面目に受講していたことを知っているから対応したと優しい声をかけてくれた先生もいました。
大学が成績を確定するスケジュールなどがあるそうで,また,私だけ勉強期間を長く取るのは卑怯という意見もあるそうで,なるべく急いで試験を受けさせてもらいました。
正直,体調は戻りきっておらず,座って試験を受けているだけでも辛かったです。
でも,平素から勉強していたおかげで直前の追い込みをしなくてもなんとか合格点を取れました。
寛大な先生方がチャンスを与えてくれたおかげで,すべて合格し,なんとか単位をすべて取得できました。
このようにして,結果的に入院で失った大学生活をなんとか取り戻すことができました。
しかし,”過去”の清算は終わっても”未来”のことは大きな問題が残っていました。
未来というのは,今後も同じように体調悪化する可能性について,です。
退院時に医者から言われたことです。
そのことは次回の記事(医者が「獣医はオススメしない」と言うワケ)でお話しします。
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