私は社会人(会社経営)をしていた32歳で国立大学(岩手大学)獣医学科を受験し入学しました。
編入ではなく通常の受験だったので,高校生に混じってセンター試験や二次試験を受けたわけです。
受験しようと思い立ったのはセンター試験の1年前でした。
仕事をしながらということで限られた,隙間時間での勉強を始めました。
10年以上のブランクの現実
社会人の間は勉強から離れていたとはいえ,かつて本来の受験生だった頃も国立大学(東京大学理科Ⅰ類)に入っているのでリハビリのように思い出してやれば,そこそこ良い点数を取れるだろうと甘く考えていました。
基本的なことを暗記しなおしてから実際に過去問などを解いてみると,思っていたよりも衰えていたことに驚き,絶望しました。
暗記力の衰えもありましたが,これに関しては微々たるものでした。
最も致命的なのが計算力の著しい低下でした。
ミスが多く,スピードも遅すぎて実践的なレベルには程遠い状況でした。
特に数学Ⅲと化学が厳しかったです。
英語と国語に関しては読解スピードの衰えでセンター試験では時間が足りないという問題もありました。
このように,まるまる10年以上も勉強から離れているデメリットの差がとても厳しいことがわかりました。
高校生たちは毎日のように実践的なトレーニングをしているので,計算力や読解力,暗記力が常にベストに洗練されていると言えます。
また,獣医なのだから生物選択だろうと思って,かつては物理選択だったのですが,ゼロから生物を学び直しました。
入学して知ったのですが,実際には,物理選択で獣医学科を受験している人が多かったです。物理の方が得点しやすい,獣医を諦める際に潰しが効くという利点があるようです。
再受験の弱みをカバーして勝つ戦略
ベストコンディションの若々しいエネルギーに満ち溢れた高校生たちに立ち向かうための戦略を練りました。
理系科目では,計算力の衰えをカバーするために,解法パターンの暗記に重点を置きました。
思考のために手が止まる時間を無くし,なるべく時間を稼ぎました。
解法を覚えなくても思考していれば解けるという若かりし自分のスタイルとは真逆をいきました。
暗記によって,問題を見た瞬間から反射的に計算を始められるように訓練しました。
間違えたり手間取ったりした問題は丸ごとノートに記録して悔しさと共に暗記しました。
また,1つの問題に対して複数の解法を知っていれば,見直した際に別の解き方でアプローチし,計算ミスがないことを確認しやすいというメリットも大きいです。
これに関しては数学が苦手な現役高校生にもおすすめしたい勉強法です。
生物の学び直しもあり,暗記量が多くなり,暗記のテクニックが必要になりました。
長期記憶化には2週間のサイクルが良い,就寝前後が良いなどのエビデンスを利用しました。
また,アクティブリコールは多用しました。
具体的には,英語・古文の単語帳は就寝前後に流し読み,起床後すぐに思い出しながら再度流し読みを習慣化しました。
数学や化学の間違えた問題と解答を含め,読めなかった英・古文漢文単語,生物用語など科目関係なく一つのノートに記録していったものを暗記していきました。
具体的な説明は長くなるので別の記事でまとめようと思います。
教材の選択
このような戦略では,予備校や授業動画などは一切利用しませんでした。
実践的な問題を繰り返し間違えた部分を蓄積して暗記するので,すでに身についている部分を再度繰り返すような授業は無駄と判断しました。
仕事をしながらの勉強であり,まとまった時間を取りづらいという事情もありました。
実践的な問題が大量に必要で,市販の問題集だけでなくZ会を利用しました。
Z会は問題と解答が良質なだけでなく,答案を細く採点して採点基準も示してくれるので,自分でも気づかない細かい減点ポイントの指摘なども有益でした。
つまり,完全な在宅・独学でした。
このような勉強法で合格に至りました。
学び直しで再受験される方だけでなく,現役高校生たちにも参考になれば幸いです。
最後に
もし社会人再受験の方や,獣医志望の高校生浪人生の方で,私に相談したいことがあれば,お気軽に私のSNSにDMください。この記事にコメントいただいても構いませんが,その場合は公開されますのでご承知ください。
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