家族性地中海熱の症状は,コルヒチンの服用でほとんど抑えられていました,あるいはそう信じていましたが,新たな症状が起こってしまいました。
結論を先に言っておくと,40℃前後の高い熱と激しい関節痛を伴う発熱発作が起こりました。
今まで普段の発熱発作は38℃程度だったので,ずっと高い熱です。
38℃程度の発熱発作はコルヒチンの服用によってあまり起こらないのに高熱が出るということです。
時系列に沿って説明します。
まず9月に高熱が出ました。
人混みに出かけた数日後だったので,感染症を考えました。
家族性地中海熱の発熱発作であればコルヒチンを追加で飲んだ方が回復が早いのですが,感染症を疑っていたのでそうしませんでした。コルヒチンの副作用で下痢をするリスクを嫌っての判断でした。
いつも通りの1日1錠で過ごしました。
手持ちのコロナの抗原検査キット(一類医薬品)を使用して陰性でした。インフルエンザの抗原検査キットは持っておらず,土日を挟んでいたので医療機関に行くことなく終わりました。
4日で解熱し6日目ぐらいには健常になりました。
後日,かかりつけの腎臓内科医に相談しました。
この時は,インフルエンザだった可能性の方が高いと考えるのが妥当ということになりました。
次に11月に高熱が出ました。関節痛に関しては今まで以上に激しく,丸一日悶絶していました。
食欲も完全になくなっていました。
気を失うかのように寝て二日目には,痛みが体の一部になったかのように馴染んで耐えられるようになっていました。
大学の実習で牛の直腸検査をした数日後でした。直腸検査というのは,獣医学と無関係な人でもわかるように端的に説明すると,腕まである薄いビニール袋をつけて,牛の肛門に肘まで入るほど深く突っ込んで触診などをすることです。この時,顔は牛の肛門のすぐそばにあるので,そこそこ高い確率で顔に糞が飛んで来ます。
牛からもらった感染症が疑わしいと考えました。
人混みに出かけた経歴はなかったのですが,前日にジムで筋トレしていたので(ヒトからもらった)感染症の可能性もある状態でした。
手持ちのコロナの抗原検査キット(一類医薬品)を使用して陰性でした。
9月にインフルエンザをもらっていたつもりだったので,インフルエンザの可能性は低いつもりでした。
とはいえ,もしこのひどい状況が家族性地中海熱のせいであるなら今後も定期的に起こることを意味するわけで,その可能性だけはどうか否定してほしい気持ちでいっぱいでした。
インフルエンザの検査をして陽性であってほしいと願いながら近所の内科にかかりました。
歩くだけで激痛でしたが,不思議と体は痛くても心は何も感じないような感覚でした。
インフルエンザは陰性で,血液検査をしてもらった結果,CRPが12もあって,おそらく,いやほぼ間違いなく家族性地中海熱の発熱発作であると言える状況でした。
CRPが12というのは,その内科医が「救急に行かなくていいの?」と言うぐらいの数値です。
その日はもう疲れたので救急には行かず自宅に帰りました。そもそも,救急に行ったところで何か効く薬があるわけでもないことは身をもって承知でした。
CRPの高い値を見ても驚かなくなるのが家族性地中海熱の怖いところだなと思いました。
翌日,その結果を持ってかかりつけの腎臓内科医に行きました。
症状は改善しつつあるので,今回の発熱発作自体のヤマは超えた状態でした。
血液検査や尿検査,レントゲンでも感染を疑う根拠はなく,やはり家族性地中海熱の発熱発作しか考えられない状況でした。
こうなると9月の高熱も発熱発作だった可能性もそれなりにあって,家族性地中海熱が悪化したというよりむしろ,強い発熱発作を引き起こす原因があったと判断してもらいました。
原因とは,以下のパターンが考えられるそうです。
- 軽い感染があって,それが発熱発作を引き起こしたがすぐに感染は完治して発熱発作だけ残った
- 疲労による体力の低下状態が発熱発作を引き起こした
- あるいはこれらの両方
コルヒチンの現在の服用量,1日1回では38℃の発熱発作を予防する効果はあるが,これらの原因によって起こる強い発熱発作を予防することはできないという解釈です。
よって,対処方法として,コルヒチンの服用量を1日2回と2倍に増やすことにしました。
下痢の副作用のせいで1日1回ですらお腹の調子が不安定でしたから,私としてはあまり嬉しくないのですが,あの高熱と関節痛が予防できる可能性があるのならチャレンジしようと思いました。
この時ついでに,家族性地中海熱の行き着くところ,この対応策が失敗した時の最終手段について詳しく聞きました。
長くなったのでこれは別の記事(指定難病の家族性地中海熱)にしました。
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