かかりつけの腎臓内科の先生と詳しく話した内容を紹介します。
家族性地中海熱について基本的なことを整理しましょう。
家族性地中海熱は,自己炎症疾患に分類され,「発作」と呼ばれる定期的な発熱あるいは腹痛に襲われる遺伝病です。
遺伝病なので現状,根本的に解決する治療はありません。
症状を抑える治療のみになります。
治療はコルヒチンという薬を生涯飲み続けるのが基本です。発熱発作や腹痛発作を予防する効果があります。
ただし,コルヒチンの副作用として下痢があります。1日何錠まで下痢せず耐えられるかは個人次第です。
ここからが今後私が陥るかもしれない状況です。
コルヒチンを副作用ギリギリまで増量しても予防できない状況では,コルヒチンでの治療ではなく最終手段的な治療に進みます。
イラリス(カナキヌマブ)という薬です。
注射薬で,1ヶ月に1回注射することで強い予防効果があります。
ただし,他の免疫機能も弱めてしまう免疫抑制剤です。
風邪やコロナ,インフルエンザなどの感染症で重症化しやすくなったり,普通は感染しない弱い菌などに感染してしまうリスクが出てきます。
日常生活で常に感染に備えて注意を払う必要があります。
獣医学を学んでいる身として,このぐらいは容易にわかることでしたが,驚いたのは,この薬がおよそ1ヶ月分で150万円ということです。
ただし,家族性地中海熱(コルヒチン無効の場合)は指定難病になっています。
指定難病を認めてもらう手続きをすれば現実的な自己負担でこの薬の治療を受けることができるというわけです。
手続きには1ヶ月以上かかるので,この治療に進む場合は早めの覚悟が必要という話でした。
イラリス(カナキヌマブ)での治療がダメな場合は今の医学になす術がないということでした。
発熱発作や腹痛発作を長期間に渡って繰り返しているとアミロイドーシスに陥ります。何か別の記事でも少し書いたかもしれません。獣医学でも習うとても致命的な状況を示す用語です。
すごく簡単にいうと,熱などのせいで出た「ゴミ」が腎臓や心臓など臓器に溜まって臓器が壊れるようなことです。
とはいえ,家族性地中海熱ではそこまで急激に起こるものではなく,長年かけてゆっくりとダメになっていく程度です。
家族性地中海熱の発作が高頻度の場合は,「放置していると短命になる」ぐらいの表現が正しいと思います。
では,どこからが「高頻度」なのか,かかりつけの腎臓内科の先生に聞いてみました。
1ヶ月に1回を目安にしているようでした。
私が今月と9月に高熱を出していますから,もし今の私の周期が2ヶ月という計算が正しく,今後も続くようなら,黄色信号ぐらいでしょうか。
ちなみに完全に無治療の時は2週間に1回でした。
指定難病にリーチがかかっているような状況です。
いや,リーチは言い過ぎかもしれません,一向聴ぐらいですか。どっちでもいいですね。
というわけで,これから始める治療法の変更,つまりコルヒチンの増量で完全に予防できることを祈るばかりです。
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